第二回異議申立ての結果-後遺障害14級のまま(12級は非該当)

第二回目異議申立の結果は以下のとおりです。自賠責からの回答からもどのようなケースが該当になるかヒントが述べられているので参考にはなると思います。

<結論>前回回答のとおり、自賠法至高令別表第二第14級9号に該当するものと判断します。

1.自賠責保険の後遺障害について

自賠責保険(共済)における後遺障害の等級認定実務は、自賠法第16条の三に基づき、「自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払い基準」により、原則として労働者災害補償保険における障害の等級認定の基準に準じて行うと定められており、この認定基準上、「負傷又は疾病(以下「傷病」という。)が治ったときに残存する当該傷病と相当因果関係を有し、かつ、将来においても回復が困難と見込まれる精神的又は身体的なき損状態であって、その存在が医学的に認められ、労働能力の喪失を伴うもの」を後遺障害の対象とする旨が規定されています。

2.前回までの認定内容

頚部挫傷後の頚部痛、頭痛、僧帽筋過緊張については、別表第二第14級9号と判断します。なお、左胸郭出口症候群については、自賠責保険における後遺障害には該当しないものと判断しております。

3.異議申立の趣旨

頚部挫傷ではなく左胸郭出口症候群と診断された。血管造影を用いたCTの検査をしたところ左鎖骨部周辺の血管が圧迫されているのが画像により明らかであり、それが強い痛みの原因であることが判明した。

頑固な痛みが継続しており、12級13号に該当する等を申し立てられ、診断書(2つの病院)が提出されています。

4.判断

自賠責保険における後遺障害の等級認定実務上、神経系統の機能の障害について、「局部に頑固な神経症状を残すもの」である別表第二第12級13号の認定がされるためには、残存する症状が他覚的所見によって証明されることが必要となります。

具体的には症状固定時に残存する自覚症状が、医学的な整合性の認められる画像所見および神経学的所見によって裏付けられることが必要になります。

以上を踏まえて、提出された診断書等の資料を再度検討の結果、以下のとおり判断します。

〇〇大学病院発行の診断書(平成◯年×月△日)に「脈管テスト陽性で、CTにて上肢拳上による胸郭出口部の狭小化を認める。」とされ、病名に「胸郭出口症候群」と記載されているものの、〇〇病院発行の診断書(平成◯年×月△日)では、「左頸から肩甲部の痛みあり、神経脱落症状は認めない。MRIではC4/5,5/6に変性はあるが、明らかな神経圧迫はない。」と記載されています。

本件については、本件事故から1年2ヶ月経過した(平成◯年×月△日)に撮影された頸部造影CTから、左鎖骨部の血管の圧迫がうかがわれるものの、症状固定以降に撮影された同画像のみをもって症状の裏付けとなる外傷性の異常所見と捉えるのは困難です。

また、〇〇病院発行の診断書(平成◯年×月△日)上、傷病名は「外傷性頸部症候群」、「MRIを施行。頭蓋内、頚髄に外傷所見無し。」とされ、〇〇病院の回答では初診時から終診時とともに他覚的所見は「所見なし」、同期間中に左胸郭出口症候群の症状は「ありません」とされ、異常所見は認められません。

加えて、〇〇病院の回答(「頚椎捻挫・腰椎捻挫の症状の推移について」および医療照会兼回答書)でも、初診時の症状については「頭部、項頸部痛、僧帽筋過緊張」とされ、治療期間中に左胸郭出口症候群の症状は「ありません」とされており、左胸郭出口症候群を裏付ける明らかな他覚的所見は認められません。

したがって、本件については、他覚的に神経系統の障害が証明されるものとは捉え難いことから、前回回答のとおり、別表第二第14級9号に該当するものと判断します。

なお、頚椎部の運動障害については、認定基準において脊柱の運動障害の前提となる脊椎の圧迫骨折、または脱臼、脊椎固定術などが認められないことから、自賠責保険における後遺障害には該当しないものと判断します。

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